親友と夕飯を食べに出かけた。
満腹になったのでまっくらな公園を散歩した。
ブランコをこぎながら、星空を見上げていると、口が軽くなる。
「最近つまらない」
「勉強に身が入らない」
国立大学の大学生として、なんとなく口に出しずらかった本音が、予想外に共感を得た。
毎日毎日PCに向き合うだけ。
専攻は都市計画なのに、外にでて町の中で学ぶこともできない。
いちおう、今のゼミの先生のもとで、大学院にも進学する予定だが、海外に調査にも行けない今の状況で大学院に進学してなにができる?
卒業後、なにしたい?
いま一度、自問しなきゃ。
学校に行けていたころは、日々の日常の中でなにかしらのドキドキワクワクがあった。
特別なことはなくても、学校に行けばなにかしら楽しいことがあった。
でも、今は、その毎日のちいさな楽しみを積み重ねることができない。
だから、ライブに参戦したり、凄そうな人のセミナーを受けたり、ちょっと派手な旅行を計画したりする。
お金を払って、自分のためにたのしみを用意している。
友だちがみた映画「メランコリック」の中でこんなセリフがあったらしい。
「楽しみがないと、生きていけないのか?」
本当は、ふとした瞬間におとずれる、予想外のたのしさがあれば、それで人生十分なんだ。
でも、今はない。
あらかじめ自分で用意しておかないと、ない。
そうか、こんなにも日々に虚無感を感じてしまうのは、
毎日の中に、ちいさなドキドキワクワク楽しさを、積み重ねることができていなからだったんだ。
じぶんの言葉のくせに、ふと、腑に落ちた。