マンガ「かぶくもの」レビュー少なすぎ大名作

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レビューが少なすぎる!!!

でも、これは大名作!!!

 

こんなに「歌舞伎を観たい」と思ったの初めてだよ。

歌舞伎ってもっと意味のわからないものだと思ってた。

でも、マンガでストーリーや動きの意味を知ったら、「あ、年代が昔なだけで、やっぱり自分と変わらない庶民が楽しむための娯楽だったんだー」と実感。

 

歌舞伎って

こんなに激しく

こんなに身体を酷使して

こんなに足を鳴らして

こんなに役者同士の駆け引きがあったんだ

 

見てエ~~~~~

生の歌舞伎見てエ~~~~~

 

見開きで、一番の見どころを描くの良すぎない?

花魁の恋四郎さんが斬られて海老ぞりになるシーン

お岩と伊右衛門が宙ぶらりんのシーン

 

他にもいっぱいあるけど、とにかくすべて絵の表現力がすごい

「単純に絵がうまい」のと、「表現力がある」ことは別

舞台芸術のエネルギーや生感覚を絵で表現するってやべえ

 

舞台の観客は、物理的にx,y,z方向にだけ伸びた舞台を観ているわけじゃない。

ときには、遠くにいるはずの役者の顔がドアップに見えることもある。

ときには、伸ばした手がこちらに向いていると感じることもある。

役者が人外に見えることもある。

ほとばしるエネルギーが目に見えると感じることもある。

 

舞台ってね、そうなんだよ。

x,y,z方向プラスもう一方向あるんだよ、あれは。

 

それを、あそこまで、紙面上に表せてしまうとはねえ

技術だね、

経験だね、

 

たしかに、他の人が言ってた通り、打ち切りなんだろうけど、

マンガの打ち切りって逆に美しいよね。

 

残りのページ数が決められた中で、何を残すか。

どの役者のどの動きを残すか

舞台のどのシーンを取り出すか

顔を描くか

足を描くか

背景を描くか

御見物を描くか

 

最終巻に”取捨選択して描かれているもの”すべてがちょうどよかった。

 

あと、詳細を描けない中で「すごい舞台だ」と説得力を持たせるためには、これまでの巻で描かれた舞台の”すごさ”が積み重なってないとね。

 

え。やっぱり超おもしろかった。