「進撃の巨人」26巻まで現在進行形で読破中だ。
いやまったく残酷な世界だ。
漫画の主人公が見ている先にある未来がこんなにも希望のないマックラなこと初めてだ。
あの世界に生きている人類はよく口にする。
「生きている限り」「私はこの世に生まれたのだから」
生きたいが為に人は人を殺すことも厭わぬのだな。
戦争も起こすし、戦場に銃を持たせた人を送りもする。
「生」がなぜそこまで人を引きつけるのか。
正木敬之は「胎児の夢」で、人は胎の中で、先祖が46億年前からその身に浴びてきた一切合切の経験を映画のように思い出し、先祖の記憶を細胞に宿してこの世に生を受けるのだと。
実に単純明快。
人はその記憶に、「生きねばならない」責任を負っている。
46億年前から、原生生物の形の時代から、先祖は自然の猛威に耐え、天敵の魔の手を掻い潜り、あらゆる艱難辛苦に堪えて、今日の私の身まで生を繋いできた。
ここに「生きねば」という気持ちを感じずして何であろうか。
人がとにかく自らのあらゆる残酷極まりない非人道的な行動を、それに覆い被せるように決まって口にする言葉
「生きたいんだ」
人間はそれしか考えぬ。