建築デザインの授業で、前回のデザイン課題に対して先生からコメントがあった。
名前を呼ばれた1人目は、課題のルールを守りつつ独創性もあり、素人の私から見ても「かっこいい!」と思った。
きっと専攻が芸術の学生だろうと思う。
2人目に、なんとまさかの、ド素人の私の名前が呼ばれた。
「うそじゃん…」と思いながら、PCのミュートを解除する。
先生がちょっと笑いながら言う。
「あなたねえ、これルール守れてないよね(笑)」
あっちゃ~~~自分でも書いてて不安だったけどやっぱりアウトだったか~~~
私は昔から、熱中するとまわりのことが見えなくなって、自分の都合のいいように考えてしまうクセがあるのだ。
うまく言えないが、自分の勢いに持っていかれてしまうのだ。
自分でも追い付けない自分の勢いに手や口を持っていかれてしまうことが時々あると、なんとなく感じている。
後からそれを「恥ずかしい」と反省するのだ。
今回の課題もそうだった。
ルールギリギリだと感じながらも、手を動かしていた。
しかし、その後に先生が続けた言葉に体が熱くなるのを感じた。
「でも、僕は好きだけどね。エネルギーを傾けて描いたものって伝わってくるんだよ。建築デザインの世界では、ルールを無視してエネルギーを優先してしまうことも悪いことじゃない。」
嬉しかった。
自分よりずっと年上の人に、そう寛容な言葉をかけられるのは久しぶりだった。
またひとつ、周りの人のおかげで、自分のことをすきになれた。