映画「ブラッドダイヤモンド」 戦争のリアリズムと消費者の責任

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紛争鉱物って知ってます?

シエラレオネの反政府武装勢力からダイヤモンドを買い、コンゴ民主共和国武装勢力からはスマホの原材料になるタンタルタングステンを買う。

 

誰が買っているのか?

ダイヤモンドなら、かの有名なデビアス

スマホを作っている企業は、日本名でも多く思い浮かぶだろう。

 

そして、そのダイヤモンドやスマホを消費しているのは誰か?

私たちだ。

 

映画「ブラッドダイヤモンド」は、私たち世界中の消費者がいかに紛争地と繋がっているのかというグローバルなルートを、アフリカのシエラレオネという国から見渡した映画だ。

 

観る者を導いてくれるのは、レオナルド・ディカプリオ演じる、アフリカ生まれで元傭兵のダイヤ密売人・アーチャー

そして、偶然にも100カラット級のダイヤモンドを見つけてしまったせいで、殺し合いに巻き込まれるシエラレオネ人・ソロモン

2人を助けるのが、ジェニファー・コネリー演じる紛争ジャーナリストのマディー

 

とくにディカプリオの演技について、アフリカ地域を専門とする大学教授がべた褒めしていた。

 

「実にリアル。ぜひ字幕で彼の声も聞いてほしい。

現地の方を観察して役作りしただけあって、よく再現されている。

さらに、現地で何が起こっているのかも、変に隠さず描いている。

まあ、実際はもっとひどいことも行われてるだろうけど、十分残酷な現実を伝えている!」

 

実を言うと、私が今回鑑賞したのも、大学の授業で紛争鉱物のことを学ぶために、教授に観るように言われたからだった。

 

確かにフィクションだが、

ダイヤモンドを巡って内戦が起こるとはどういうことか、

子どもが兵士になるとはどういうことか、

村を焼かれ難民や国内避難民になるとはどういうことか、

殺し合うとはどういうことか、

シエラレオネでの殺し合いと私たちの消費生活はどう繋がっているのか、

 

ただの文字からはなかなかつかみにくいリアリティを、映画という媒体を使って巧みに目と耳にぶち込んでくる。

体感した。

私は現地で起こっているリアリティを、ほんの一部ではあるだろうが、体感したのだ。

 

鑑賞後、私は自分の机の上に並ぶものを見渡した。

ほとんどが、言ってしまえば”人件費の安い”東南アジアの国々で作られているはずだ。

 

私は想像した。

私が使っているノートは、誰かが朝ごはんを食べないまま出かけ、危険な通勤路を歩き、安い賃金で働き、作ったものかもしれない。

もうね、他人事とか言える時代は通り過ぎちゃったよ。

あなたもね。