「グランド・ブタペスト・ホテル」はセンチメンタルなエモさでお腹いっぱい【ネタバレなし】

映画「グランド・ブタペスト・ホテル」(2014)

監督 ウェス・アンダーソン 『犬ケ島』等

www.foxmovies.jp

 

おもしろい。

ストーリーが5段の重箱みたいに段々と展開されていく。

これと言って観たい映画はないけど、とりあえずめちゃくちゃおもしろい映画を観てスカッとしたいときにこれを観れば大正解。

 

映像が素敵。

1シーン1シーンを止めると、ミニチュアのおもちゃみたいな世界が、丹念に作られている。

 

俳優が全員ナイスキャスティング。

「正にその顔を、その役で見たかった」の連続。

ハリー・ポッター』シリーズでヴォルデモートを演じたレイフ・ファインズが、面倒くさいけどそのクセのある人柄がまわりの人々に愛される伝説のホテル・コンシェルジュ

トニー・レヴォロリの真っ黒な瞳とくせ毛とまつ毛が、見習いボーイ・ゼロのいい味出してる。

レディ・バード』のシアーシャ・ローナンが、かわいいお菓子を焼くヒロイン。脱獄を手助けするために、お菓子の中に刃物を隠すその度胸すきだよ。

 

おじいさんになったゼロが、彼の恩人でもある伝説のコンシェルジュのことを思い出して語り紡がれるのがこの映画。

ゼロが、グランド・ブタペスト・ホテルで過ごした見習い時代を貴く思っていることがジワジワと伝わってくる。

仕事を教わった先輩、そこでできた恋人、そして、ピリッと効くスパイスのような”仕事中の”事件。

ゼロの思い出の中のそれらは哀愁を漂わせ、ゼロをセンチメンタルにし、観るものもエモさの中に引き込むのだ。