最近、読み終わったこの本、
すごくおもしろかった!
アイヌ語、カムイ、儀式、昔話、歴史、グルメ、そしてアイヌ語の未来・・・などなど、アイヌ文化のあらゆる側面の扉を叩いて開けてしゃべって「ハイ次!」って案内してくれるような本だった。
眠くなりがちな「文化の入門書」として大正解過ぎるよ。
おもしろかった理由はこの2つかな。
①取り上げるトピックが幅広く、かつ細部まで教えてくれる
②アイヌ文化が純粋に魅力的過ぎる
まず、①については、目次を見れば早いよね。
この本の目次を私の言葉で言うとこんな感じ。右には大まかなジャンルを書いたよ。
- カムイってなに? -世界観
- アイヌの先祖はどこから来たの? -歴史
- アイヌにとって言葉は何よりも強い -価値観
- 口づてで受け継がれる物語 -文芸
- アイヌが信じるもの -信仰
- 「ゴールデンカムイ」にも出てくるグルメ -食文化
- 「ゴールデンカムイ」の裏話
- アイヌ語ってどんな言葉?この先どうなるの? -言語
いや、ジャンル広すぎだろ。びっくりしたわ。しかも、1トピック(上述の章よりさらに細かい話)がだいたい5ページで読めるからテンポ良すぎるんだよ。
次、「②アイヌ文化が純粋に魅力的過ぎる」のは言葉通りだね。
私、今まで知らなかったことが恥ずかしいけど、アイヌ文化ってこんなに豊かなんだね。
たとえば、とくに印象深かったことはコレ。
カムイは「神」と訳されることが多いけど、犬も木も火も家も食器も、あらゆるものを含むからどっちかというと「環境」とまで言ってしまった方が適切、ということ。
あと、アイヌの昔話(散文説話、英雄叙事詩)はおもしろすぎる。日本昔ばなしとグリム童話より私は好き。
本の中で、中川さんが実際にアイヌのおばあさんから聞いた物語が紹介されているから、それを読めばいいんだけど、
手っ取り早く、アイヌ民族文化財団が8年前から毎年3~4本のアニメを公開してくれているのでぜひそれを見てほしい。
1本3分ぐらいだけど映像が凝ってるから十分おもしろいし、実際のアイヌ語が聞けるから雰囲気もよい。
アイヌ民族文化財団ホームページ 「オルシペスウオプ(話の箱)」
https://www.ff-ainu.or.jp/web/learn/language/animation/index.html
はい。私が『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』を読んでおもしろいと思った理由はこんな感じ。
サクッと読めていろいろアイヌ文化のことわかっちゃうから読んでみて!
読後、私は居ても立っても居られなくなって、とりあえずアイヌ料理店「ハルコロ」に友だちと行くことを決めたよ。ヒンナヒンナしてくる。